はじめに

 

平成20年3月に告示された新しい中学校学習指導要領が,平成24年4月から全面実施となります。

各中学校においては校長のリーダーシップのもと,学校や地域の特色を生かしながら,教育課程の編成,年間指導計画・評価規準の作成などについて新学習指導要領の趣旨を踏まえた整備が進められていることと思います。

今回の学習指導要領の改訂はこれまでの理念を継承し,教育基本法改正等を踏まえ「生きる力」をより一層育むことを目指しています。

また,学力の要素を基礎的・基本的な知識・技能,思考力・判断力・表現力その他の能力,主体的に取り組む態度とし,それぞれを習得させ,育み,養うことを求めています。

改訂の大きな特色である「言語活動の充実」については,知識基盤社会といわれる時代の要請や,思考力・判断力・表現力等の育成の必要性から求められているものであり,教科等を貫く重要な改善の視点といえます。

全国学力・学習状況調査及び県学力調査の結果を分析すると,本県の中学生の学力においては,教科の達成率の向上や学習・生活習慣に改善の傾向が見られますが,思考力・判断力・表現力等が十分に身に付いていないことや,書く力が十分でないこと等さらに改善すべき課題もあります。

これらの課題を解決する方法の一つとして,日頃から「言語活動の充実」を踏まえた授業を展開することはとても有効であると考えます。また,子どもたちの言語に関する能力を育成することは,島根県の教育の基盤と位置付ける感性を育む観点からも重要なことです。

さらに,新しい学習指導要領に示された学力を育成するためには,学習評価を通じて学習指導の在り方を見直すこと,個に応じた指導の充実を図ること,学校における教育活動を組織として改善すること等が大切であることから,学習評価の工夫・改善が求められます。

本ハンドブックは,「言語活動の充実」及び「学習評価」についての基礎的な考え方,各教科等の指導及び学習評価の在り方の理論と実践について参考となる内容を掲載しています。

特に各教科等の単元(題材)の展開例では,「指導のポイント」及び「評価のポイント」を具体的に示し,学習指導案の作成及び授業実践の際の参考となるようにしています。

本ハンドブックを活用し,生徒一人一人の課題をその背景も含めて的確に把握するとともに,「生きる力」をしっかりと身に付けることができるような授業づくりに努めていただきたいと願っています。

平成24年3月

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テーマ
学習評価
学校区分
中学校
資料作成時期
平成24年3月
所管部門
教育指導課